第54回日本漢方交流会全国学術総会の大阪大会開催にあたって

大会会長 中島正光
広島国際大学薬学部生薬漢方診療学 教授
広島大学病院漢方診療センター
第54回日本漢方交流会を大阪の地で2021年10月9日(土曜)・10日(日曜)に開催させていただくことになりました。伝統ある本学術集会を開催できますことを誠に光栄に思います。会員の皆様に深く感謝いたします。現在、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、ほとんどの学術大会の運営が大きく様変わりいたしました。このほど開催いたします第57回日本漢方交流会大阪大会も「Web配信」での開催としました。ご迷惑をおかけいたしますが、よろしくお願い申し上げます。
テーマについては、できるだけ参加しやすく、わかり易いことを心掛け、大会のテーマを「激変する社会における漢方と食養~気血津液・臓腑経絡のアプローチ~」といたしました。漢方医学は、先人のたゆまぬ努力により漢方薬と鍼灸などが発展し、受け継がれてまいりました。我々が会得しなければならない知識は、最近の西洋医学の進歩は目覚ましいこともあり急激に増えたために、漢方の知識はもとより、多くの幅広い知識を持たなければ臨床ができなくなっています。そのような膨大な知識を会得しなければならない時代において、わかり易く、効果の高い漢方医学を発信することが本学会の一つの重要な使命かと考えます。
日本漢方交流会は、漢方の夜明けの時代に、当時の漢方の先哲の並々ならぬ御指導とご努力により開催され、継続されている会です。私の知る会は近畿漢方研究会と“かんぽう会(旧木曜会)”と共同で開催されました第3回大会(西日本漢方交流会)で、昭和45年に神戸の国民宿舎須磨荘で開催、さらに“かんぽう会“が第14回大会を昭和56年に神戸舞子ビラで開催しました。祖父である中島隨象が日本漢方交流会に力を入れていたことを先日のように思い出します。我が家に残っております当時の実行委員の言葉、またアンケート調査結果などの資料を読みますと、当時の苦労が並大抵のものではなかったことが伺われます。私情で恐縮ですが、縁が深い日本漢方交流会を開催することができ、皆様のお役に立てれることは嬉しい限りです。
会期の短縮や開催方法などの変更を余儀なくされましたが、遠方からの参加が困難な先生方々にもご参加いただきやすくなるなど、良き点もございます。大変なご努力により盛会であった熊本大会(ハイブリッド開催)に引き続き新しい時代の学術総会の在り方としての「Web配信」で開催したいと思います。ご支援いただければ幸です。開催場所は、広島国際大学が属している常翔学園のOIT梅田タワーを拠点として配信することとしました。OIT梅田タワーは大阪梅田の交通の便がいい場所で、2年前の第37回漢方治療研究会を開催しました会場で、ここで当会をハイブリッド開催する予定でした。
本大会の実行委員長は夜久泰造先生、そして実行委員会は近畿漢方鍼灸会のメンバーとその関係者により行われます。実行委員一丸となり、開催準備に当たらせていただきます。多くの方々とWebでつながり、お会いできることを心からお待ち申し上げます。